コラム詳細

副院長からの耳より情報

アレルギーの治療をしませんか?

『アレルギーの治療法:舌下免疫療法のご紹介』

くしゃみが止まらない、鼻水や目のかゆみに困っている。

その様な方はアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎かもしれません。

このような症状は、スギ花粉やダニなどのアレルゲン(アレルギーの原因となるもの)が原因となっている可能性があります。
その反応は一年中ある場合(通年性)もあれば、春や秋など特定の季節だけ出る場合(季節性)もあります。

当院では抗ヒスタミン薬というアレルギーを抑える対症療法も行っていますが、その他に「舌下免疫療法」という治療を行っています。
これは、アレルギーの原因となるものを少しずつ体に慣らすことで、症状を長期的に和らげようとする治療法です。

現在、スギ花粉症、ダニアレルギーの方の治療が可能です。

「舌下免疫療法」は、家でできる治療法で、副作用も少ないとされています。

治療が正しく行われると、スギ花粉症の場合は初めての花粉飛散シーズンから、ダニアレルギー性鼻炎の場合は治療開始して数か月後から効果が現れると考えられています。

長期間にわたり正しく治療ができれば、アレルギー症状の改善や治療終了後も長期間にわたって症状が抑えられることが期待できます。
完全に症状を抑えられない場合でも、症状が和らいだり薬の使用量を減らすことが期待できます。

 

この治療法を始める上でのスケジュールや条件をお伝えします。

①小学生以上であること

お子さんの治療は、適応上では何歳からでも可能です。ただ内服の方法が小さいお子さんだと難しいため、治療を上手くできるかを考え、現在当院では小学生から治療可能と案内しています。

大人の方も治療は可能ですが以下の方は適応外となります。

・妊娠中および近いうちに妊娠希望の方

・重症の喘息を合併している方

・重い心臓の病気を合併している方

・癌の治療をしている方

・免疫不全などの病気の方

・治療で免疫抑制剤を使用している方

 

②スギ花粉やダニにアレルギーがあるか確定診断を行います

受診された際に血液検査を行い、血清抗体検査を実施します(結果がわかるまでに数日かかります)。

スギ花粉やダニにアレルギーがあることを確認できれば治療適応となります。

 

③治療は1日1回1錠を3~5年間にわたり継続して服用します

1日1回1錠を舌の下に置き、1分間そのまま保持した後、飲み込んでもらいます。


最初の服薬の時だけアレルギー反応がないか確認が必要なのでクリニック内で服薬を行い、約20分ほど待機していただいていますが、2日目からは自宅で服薬可能です。

注意点:スギ花粉症の治療は、スギ花粉が飛散していない時期に開始します(通常6〜11月頃)。 
      ダニアレルギー性鼻炎の治療はいつでも開始できます。

 

④通院は基本的に月1回必要です

投薬開始後の最初の1〜2か月が最も副作用(アレルギー症状)が出やすいため、少し受診間隔は短め(2〜3週おき)としています。

最大処方日数が1か月間ですので、その後は必然的に月1回の通院となります。

 

アレルギーで困っているお子さんがおられましたら、どうぞお気軽にご相談ください。